多いほど良い、とは限らない
選択肢が増えることで、選ぶ意欲や満足が下がる場合があることを示した有名な実験群です。選択肢過多という問いを広く知られるものにしました。
Free article — 行動経済学 / B-02
商品を一つだけ置けば、「選べない」と言われる。 たくさん置けば、「迷う」と言われる。では、いくつが正解なのでしょうか。説明の前に、3択と12択を選び比べてください。
実験は2分ほど。最後まで読んで10分ほど。全文無料です。 答えは送信も保存もしません。 ここで出た答えを、あなたの性格や能力の判定には使いません。
ROUND 01を選ぶと、この棚が開きます。
ROUND 02まで選ぶと、比べられます。
Factory output
これは、小さな自己観察です。選択肢の数だけでなく、言葉の分かりやすさ、 あなたの知識や目的も結果を動かします。記事の続きで、研究では何が分かり、 何がまだ単純に言えないのかを分けます。
選んだ答えは、この画面の中にだけ一時的に置かれます。送信・保存・採点はしません。 タブを閉じるか「最初から試す」を押すと消えます。
種明かし
12択では、読む、違いを見つける、自分の目的を決める、候補を捨てる、 選ばなかった後悔を想像する。選ぶ前に、これだけの仕事が発生します。
問題は、数ではない。選ぶために必要な仕事の量です。
ただし、12択のほうが選びやすかった人もいるはずです。 欲しいものが最初から明確なら、選択肢の多さは探しやすさになります。 この体験だけで「3択が正解」とは言えません。行動経済学は、万能の答えではなく、 人が迷う条件を見つけるためのレンズとして使います。
研究は、一枚岩ではない
2000年の研究は、「選択肢は多いほど人を動かす」という前提を三つの実験で問い直しました。 しかし、その一つだけを読んで「多いと売れない」と決めるのも早すぎます。
選択肢が増えることで、選ぶ意欲や満足が下がる場合があることを示した有名な実験群です。選択肢過多という問いを広く知られるものにしました。
63条件、50実験、5,036人のメタ分析では、平均効果はほぼゼロで研究間のばらつきが大きいと報告されました。数だけで結果は決まりません。
99観察、7,202人の分析は、複雑さ、課題の難しさ、好みの不確かさ、努力を減らしたい目的という四つの条件を整理しました。
Iyengar, S. S. & Lepper, M. R. (2000)
When Choice Is Demotivating: Can One Desire Too Much of a Good Thing?
Journal of Personality and Social Psychology(PubMed)
選択肢が多いほど動機づけが高まるとは限らない、と三つの実験で問い直した研究です。この記事の出発点として扱います。
Scheibehenne, B., Greifeneder, R. & Todd, P. M. (2010)
Can There Ever Be Too Many Options? A Meta-Analytic Review of Choice Overload
Journal of Consumer Research(Oxford Academic / DOI)
63条件、50実験、5,036人をまとめると平均効果はほぼゼロで、研究間のばらつきが大きかったという報告です。『多いと必ず悪い』を否定するために引きます。
Chernev, A., Böckenholt, U. & Goodman, J. (2015)
Choice Overload: A Conceptual Review and Meta-analysis
Journal of Consumer Psychology(Wiley / DOI)
99観察、7,202人の分析から、選択肢の複雑さ、課題の難しさ、好みの不確かさ、努力を減らしたい目的という四条件を整理した研究です。
この記事の3択と12択は、上の研究を再現した実験ではありません。 条件も測定も統制していないため、読者一人の答えから効果を証明することはできません。
数える前に、見ること
売り手としての設計
良い選択設計は、選ばせることではなく、選べる状態を作ること。
3行だけの設計図
価格、速さ、量、対象者、サポート。いちばん重要な比較軸を一つ書く。
全部を一列にせず、目的や経験で入口を分ける。
売り手の都合ではなく、どんな人のどんな状況に合うかを書く。
このページに入力欄はありません。紙やメモアプリへ、自分の言葉で書いてください。